1年を振り返って
2022.12.29
日々のこと/志波大輔
2022年が過ぎ去ろうとしている今日、12月29日は仕事納めです。
節目は大切にしたいので、この1年を少し振り返ってみようと思います。
今年はヘリコプターでの撮影からスタートというとても印象的な仕事始めでした。ヘリに乗るのは初めてで、ジェットコースターに乗っているような浮遊感で楽しかったです。
ユニオンさんのカタログ用に、舞洲から大阪全体を撮影することが目的だったのですが、あいにくこの日は天気が優れず、高度や画角等を検証するに終わりました。おかげさまでカタログはとても素晴らしく仕上がりましたので、是非 こちらからご覧ください。
1月末には前職のnendoが京都で開催している展示会へ足を運びました。
京都の伝統工芸とコラボするという企画でしたが、どれもnendoらしさが滲み出ていて久しぶりに心躍る展示会でした。中でも印象的だったのは風神雷神画からインスパイアされた指物(外側に組み手を見せず、金釘(かなくぎ)も使わずに組み立てられた木工品)です。
まずは初見のインパクト。屏風のように組み立てられた格子の一部が、それぞれまるで空間が歪められたように曲がっています。一見歪んだ部分は3次元的に飛び出しているように見えたのですが、近づいてみるとそれは平面的に構成されており、制作にあたり途方もない苦労があったことが伺えました。
nendoの素晴らしいところは、この途方もない苦労を行い続けるところだと当時から感じていました。やっぱりその努力というか、想いは見た人に伝わるんだと思います。この精神を学ばせてもらったことは僕にとって大きな財産で、今仕事をする上でも大切にしています。そして退職した今でも大ファンです。
2月は僕の36歳の誕生日。
同じビルのメンバーの誕生日は、会社の枠を超えてみんなでお祝いしてくれる嬉しい文化があるんですが、もうひとつの文化が「ドッキリ」を仕掛けるというもの、、、
さすがにネタが尽きてくるので、数年前から僕へのドッキリはチャレンジ企画に変わりました。そんな今年のチャレンジは、「アルミパットに敷き詰められた小麦粉の中に一つだけ隠されたグミを手を使わず顔を突っ込んで30秒以内に探し当てる」というものでした(笑)
僕はそういうものに躊躇なく突っ込んでいくタイプなので、期待通り真っ白な顔面でグミをゲット。残念ながら2秒ほど間に合わず賞金ゲットとはなりませんでした。そしてそのグミが激辛というおまけ付き。
(お見苦しい写真で失礼します)
仕事はというと、2021年から2022年にかけて、精肉店(n°29)とヴィーガンカフェ(MERCY Vegan Factory)という対極なプロジェクトを進めていたのが印象的でした。
精肉店は西区新町というロケーションもあり、海外の精肉店のようなデザイン性の高いデザインに仕上げました。オーナーさんにも満足いただけて、これからの発展が楽しみです。
ヴィーガンは知識が全然ありませんでしたが、このように全く知見のないご相談をいただくことで毎度新しい情報をインプットできるというのも、この仕事の面白いところです。これを機に少し食事に対する意識が変わりました。余談ですが現在は1日ほぼ1食ですこぶる健康です。お花のような野菜のようなロゴマークが象徴的で、MERCY(=慈愛)の世界観がうまく表現できたように思います。こちらも大変喜んでいただけたました。
5月、待ちに待った映画の上映がありました。そうです「シン・ウルトラマン」!
会社のみんなと胸を躍らせながら観に行きましたが、正直ちょっと残念な印象でした。シン・ゴジラの精度が高すぎたのかもしれませんが、細切れの話を2時間ダラダラと見せられたような感じがあったのと、今の時代に合わせた表現がちょっとしんどかったのかな?
ですが原作でフジ隊員が巨大化するところ再現したり、癖の強いメフィラス星人は面白かったですね。
最近のウルトラマンシリーズのデザインはどれも過剰で、まるでロボットのような造形だったりするのが多い中、初期コンセプトを大切にされてカラータイマーすらも削ぎ落とす姿勢とデザインはとてもよかったです。
(なんだかんだ言いながらもアマゾンプライムで再度見ました)
その後も慌しくも充実した日々を過ごしておりましたが、ついに流行病にかかった8月。
7月末から声がガラガラになり、何か変だな〜と思っていた矢先、8/9に陽性となり見事にダウン。せっかくのお盆休みはすべて自宅待機となって残念だったのですが、スタッフもおそらく僕のコロナをもらって陽性となってしまったので、申し訳なさでダブルノックアウトでした。
10日の隔離期間を経て復帰したのですが、どうも調子が良くないんです。朝起きたら38度くらいの発熱がその後も1ヶ月ほど続き、夜は18時頃には活動限界を迎える始末。とにかくずっとダルいんです。これが後遺症ってやつか〜と何とか苦しみに耐えながら数ヶ月を過ごし、ようやく11月頃にほぼ通常通りの体調に戻れました。
ちなみにどれくらい苦しかったか、ひと目でわかるものがあるのでお見せしたいと思います。
まずはこちらをご覧ください。
これ、ユニオンさんからいただいた2022年カレンダーなんですが、これに独自ルールを設定して、毎日のハッピー具合を5段階評価した紙をペタペタ貼ってあるんです。濃いオレンジ、オレンジ、グレー、ダークグレーの順でハッピー具合をわけていて、スペシャルにハッピーな時はキラキラした紙を貼るというルールで毎日を振り返ってたんです。ちなみにこれは2022年1月のものです。ユニオンさんの事務所で原研哉さんとご挨拶させていただいたんですが、その日はキラキラしています。
さて、じゃあ8月はどうだったかと言うと、、、
はい、ご覧の通り真っ黒です。
コロナを乗り越えた自分を褒めてあげたいですね。
こうやって記録していると振り返るのに便利なので、来年も何かしらの形で記録してみようと思います。
この8月末には僕が所属している経営者団体の3年間に及ぶ代表の役職が終了し、肩の荷がおりました。とっても大変な3年間でしたが、大きな学びの時間でした。
就任早々コロナが蔓延し、運営に当時はとても苦労しましたが、振り返ってみるとそれもよかったように思えます。自らが経営者としての成長を目指すなかで、かけがえのない財産を沢山いただいているので、ここでの学びも随時ブログでお伝えしたいと思っています。
さて、9月、10月と年末へ差し掛かる中、嬉しかった出来事がありました。
それは、大阪初のご当地ナンバープレートに弊社のデザイン案が採用されたことです。
デザインコンペがあることを知らなかったのですが、堺を愛する方から、「自分が依頼費を出すので、MERRY BEETLEさんでコンペに参加してくれませんか?」「堺市民が誇れるようなデザインをつくって提案してほしい」とオファーをいただいたんです。
さすがにこんなアツいメッセージをいただいたら断るわけにはいきませんので、提案することに決めました。(依頼費はお断りしています)
ですがこの提案の背景、ちょっと大変だったんです、、、
というのも、このコンペの提案締め切り前にコロナにかかってしまってたんです。
予定ではお盆前にアイディア出しして、休み明けに手を動かして提案するというつもりだったんですが、先にお話した通り僕がコロナに感染し、会社が休業状態だったんです。
体調も最悪だし正直提出は諦めようと思った瞬間もありましたが、依頼してくださった方の期待に応えたい思いで、締め切り前日から着手。弊社今村と2案ずつ合計4案を提出締め切り10分前に滑り込ませました。
結果、最終選考8案の中に2案が残り、最優秀賞と優秀賞(1位と2位)をいただくことができました。
そのデザインがこちらです。左が最優秀賞(実際にデザインとなるもの)、右が優秀賞のデザイン案です。
きっと邪念なく、誰かを想って取り組んだことが結果につながったんじゃないかと思っています。
令和5年10月から導入が始まる予定ですので、今から楽しみです。堺市民の方が喜んでくれたら嬉しいな。
さてさて、そんなこんなで11月、12月を駆け抜け、本日仕事納めをすることができました。
去年は年賀を作ることができなかったんですが、今年は少し余裕を持って年賀作成もできたので安堵しています。なかなか面白いことができたと思っているので、届いた方は是非じっくりご覧になってください。
本年は大変お世話になりました。
皆さま、良い新年をお迎えくださいませ。