なんでMERRY BEETLE?

2022.12.16

日々のこと/志波大輔

社名である「MERRY BEETLE(メリービートル)」の由来についてお話をしたいと思います。

法人を立ち上げる前のフリーランスデザイナーだった時、自分がどうして今の仕事をすることになったのだろうかと考える機会がありました。ずーっと過去に遡ってみると、そこで出てきたキーワードが自己紹介でも少しお話した、カブトムシやクワガタだったんです。こんなところに原点があったんだぁ、と自分でも驚きました。

小学生の頃、夏休みに入るやいなや、和歌山にある祖父母の家に遊びに行っていたのですが、そこでの最大の楽しみはおじいちゃんと一緒にカブトムシやクワガタを採りに行くことでした。子供の頃は八尾(大阪)に住んでたんですが、そこで出会える自分の中での最高位(=かっこいい)の昆虫はカマキリで、カブトムシやクワガタは図鑑で見るだけの憧れの存在だったんです。

そんな中、初めて出会ったそれらは幼少期の僕にとってすごく輝いて見えたんだと思います。とりわけクワガタが好きで、勇ましい大顎のフォルムに魅了されました。大人になって知見が広がると、世界中にはもっとたくさんの甲虫がいることを知り、ますます興味が深まりました。 ギラファノコギリクワガタという種類の中に、ダイスケギラファなんていう亜種もあるようで、勝手に親近感を持っています。こういった背景から自分の初心や原体験を大切にしようと「BEETLE」というキーワードを屋号に入れることに決めたんです。「BEETLE」ってカブトムシのことですよね?とよく質問されるんですが、甲虫類全体を指して使えるようで、クワガタは英語で「STAG BEETLE」といいます。

次はこのBEETLEに何か形容詞をつけたいなと、いろいろな言葉を試してみました。キラキラしたものが好きなので、「BRILLIANT」とか「GLORIAS」など、輝かしいという意味を持つ言葉も候補にありましたが、ちょっと仰々しいというか、らしくないなと。

そこで思い出したのがnendoを退職する直前の自分の心持ちでした。あの時は毎日慌ただしく、クリエイティブを楽しむ余裕もなく、どう仕事をこなそうかという思考でいっぱいでした。作り手の想いがモノに宿るとするならば、そんな心持ちで生み出されたデザインたちはハッピーじゃないんじゃないか?と。そこで「MERRY(=愉快な、楽しい)」を選びました。

メリークリスマスにもあるように誰でも知ってる身近な言葉だし、メリービートルという音感も心地よくてすぐに気に入りました。画数とかも気にするタイプなのですが、これも良い評価でしたのでひと安心。もとより、自分自身が「楽しいか?」より「正しいか?」と生きがちなので、今振り返ると無意識に自戒の意味も込めていたのかもしれません。

なんにせよ、名は体を表すというの言葉のように、「MERRY」な仲間が志波大輔という木に沢山集まることが僕の夢なんです。