めんどくさいことを大切に
2024.02.02
デザイン・ブランディング/志波大輔
こんばんは、志波です。
今日は少し昔を振り返って、2021年6月に平和紙業さんのペーパーボイスギャラリーにて開催した弊社の個展「THE PAPER PLAYING」に関するお話をさせていただきます。
この展示会は、弊社設立5周年の節目として、これまでの振返りとさらなる挑戦に向けて開催しました。
何を展示しようかとても悩んだのですが、紙屋さんのギャラリーであったのと、今年もそうですが毎年様々な加工や紙を駆使して年賀状をデザインしていたので、それらを軸として展示を構成することに決めました。
紙であそぶ、紙と楽しむというタイトルのもと、「紙で表現できることってなんだろう」という視点から、切ったり、ちぎったり、折ったり、丸めたり、いわば大人の自由研究といったところでしょうか。
展示する作品はもちろんですが、空間にこだわりたかったんです。
ただ作品を見てもらうだけではつまらない、コロナ禍で沈んだ世の中に少しでも感動を届けたい、そんな想いから紙のインスタレーションを考案し、およそ3500枚の紙で壁一面を包み込みました。
現場で作業できるのが実質7時間程度しかなかったので、事前準備も当日もかなり大変でしたが、紙の壁でつくられた空間は想像以上に特異なものでした。
昨今、多方面で「効率」が重視されがちですが、デザインは違うと思うんです。
独立する前にnendoの佐藤オオキ氏のもとで働いていましたが、彼らのデザインや展示はどれも変態的な「めんどくさい」の塊。そこにはエネルギーがあり、感動が生まれることを体感しました。だから自分もデザインをするときはそのことを大切にしています。
日頃行っているブランドをつくることも「めんどくさい」ことを丁寧にするから、正しく伝わるのだと思います。
これからAI生成もパワーアップしてくると思いますが、大切なのはうまく使うことだと思います。 テクノロジーと人しかできないことを組み合わせて、これからも「うつくしいもの」をつくり続けます。
THE PAPER PLAYING https://merrybeetle.jp/works/the-paper-playing/