なぜデザインがうまくいかないのか

2026.04.17

デザイン・ブランディング/志波大輔

こんにちは、志波です。

このブログを書くきっかけになったのは、先日関わらせていただいた、ある学校のロゴデザイン提案でした。
そのプロジェクトにはクリエイティブディレクターが入り、僕たちはデザイナーとしてアサインされる形でした。

特徴的だったのは、デザインに入る前のプロセスです。
主要メンバーでワークショップを重ね、キーワードを洗い出し、全員で合意を得ながら学校のタグラインを整理されていました。

その状態でデザインフェーズに入り、僕たちはそのタグラインやキーワードをもとにロゴを制作しました。
提案の場では「どの案も自分たちらしい」と言っていただき、素直に嬉しかったです。

その時、以前別の学校のロゴをご提案したときのことを思い出しました。

このときはワークショップは行わず、学長からのヒアリングをもとに制作しました。
プレゼンにはヒアリング時にはいらっしゃらなかった他の先生方も参加されていたのですが、
デザインの背景が共有されていない状態だったため、どうしてもピントが合わない。
「良い・悪い」以前に、前提が揃っていない状態での提案になり、なんとも不穏な空気を醸し出してしまいました。
(最終選ばれたデザインは我々としても非常に気に入っており、納得できるものだということは補足しておきます)

今回のプロジェクトを通してはっきり感じたのは、あの違和感の正体は、デザインの問題ではなく、共通認識が揃っていなかったことだったということです。

最近、ブランディングやデザインのプロジェクトに関わる中でも、同じことを強く感じています。

多くの企業が「理念浸透」や「ビジョン共有」に課題を持っている。
つまり、組織としての足並みが揃っていない状態です。

そしてその状態でデザインをつくろうとすると、どこかチグハグになる。
これは当たり前で、土台が揃っていない上に、いくら綺麗なものを乗せても機能しない。

だからこそ、デザインをつくる前に、組織の認識を揃えること自体に価値がある。
僕はここに、これからのデザイナーの役割があると感じています。

これまでのようにヒアリングをして整理して提案するだけではなく、
「自分たちは何者なのか」
「どう見られているのか」
「どう見られたいのか」
これを企業のメンバー自身が言葉にしていくプロセスを一緒につくる。

例えばWebサイトのリニューアルでも、
「誰に向けて発信するのか」
「どんな価値を届けるのか」
「自社の強みは何なのか」
そういったことを対話しながら整理していく。

このプロセスを通して、初めて社内の認識が揃い、理念やビジョンが浸透し、その上に乗るデザインが“機能するもの”になる。
そう考えると、デザインをリニューアルするタイミングは、会社を見直す良い機会になる。
そしてその機会をどう設計するか。
そこに、デザイン会社の価値があるんじゃないかと思っています。

一緒に考え、一緒に言語化し、一緒に形にしていく。
そのプロセス自体が、企業にとっての推進力になる。

僕たちはこれから、“つくること”だけではなく、“揃えること”や“考えること”に、より深く関わっていきたい。
MERRY BEETLEの役割をアップデートしていきます!

(*写真は同志社の皆様とのワークショップシーン)