10期目を終えて
2026.06.05
日々のこと/志波大輔
こんにちは、志波です。
おかげさまでMERRY BEETLEも10期を終え、6月から11期目に入りました。
今年は6月1日に大神神社へお参りに行くことができました。
11期目を迎える僕の思いを少しお話したいと思います。

僕はあまり感情を表に出さないタイプです。
どちらかというと、真面目に、賢く、なるべく失敗しないように生きてきました。
だからか、「順風満帆そうですね」「苦労なんてなさそうですね」と言っていただくことがあります。
でも、2014年に独立してからの十数年は、とにかく必死でした。
正直、心も体も限界に近かった時期、会社が潰れそうになったこともありました。
もともと僕は学歴至上主義の世界で生きてきました。
学校の勉強は比較的得意な方。
問題集があって、解き方があって、それを覚えて応用すれば点数になる。
素早く正確に答えを出せば評価される。
でも、経営の世界はまったく違いました。
経営者それぞれが独自の解き方で物事に向き合い、ときには答えがあるのかどうかすら分からない問いに向き合う。
学生時代や会社員時代には想像もしなかった世界でした。
あえて例えるなら、経営は「抜き打ち実力テスト」の連続です。
試験範囲も分からない、難易度も分からない、なのに突然「はい、今日テストです」と言われる。
ちなみに学生時代の僕は、定期テストは得意でしたが、実力テストは大の苦手でした。
そんな僕の前に現れた「経営」という難易度S級の実力テスト。
そりゃうまくいくわけがありません。
定期テストの感覚で挑んだものだから、えらいこっちゃです。
不要なプライドは邪魔をするし、傲慢にもなるし、何度も失敗しました。
そんなふうにもがき続ける中で、この数年で少しずつ考え方が変わってきました。
それは、
「自分一人では、自分が見たい景色には辿り着けない」
ということです。
プライドが高く、人を信じるのも得意ではない僕は、とにかく自分で何とかしようとしていました。
ありがたいことに、それなりに能力もあり、それなりに結果も出してきました。
でも、僕が本当にやりたいことは、自分一人でできる規模のものではなかった。
誰かの力を借りなければ実現できない未来だということに気付かされました。
「人を頼る」
これは人生で一番やってこなかったことでした。
今でも得意ではありません。
ただ、いろんな役職や活動を通じて、少しずつ人を頼る練習をしてきました。
そこで気づいたのは、頼ることは決して弱さではないということでした。
むしろ、その人の得意なことを信じること、活躍してもらうこと。
そんな意味があるように思います。
そして不思議なことに、人は信頼されると力を発揮する。
だったら経営者の役割は、自分が全部やることではなく、それぞれの人が気持ちよく活躍できる環境を整えることなんじゃないか?
そう考えるようになってから、デザイン事業も、飲食事業も、TOGUの活動も、「どうやったら誰かが活躍できる場になるだろう?」という視点で見るようになったんです。
すると不思議なことに、今まで自分一人で回そうとしていた歯車が、少しずつ周りの力で回り始めた感覚がありました。
そしてもう一つ。
人を頼るということは、人を知ることでもあると気づきました。
相手は何が得意なのか。
何をお願いしたら喜んでくれるのか。
どんなことに興味があるのか。
今どんな状況なのか。
それを知らずに、良いお願いなんてできない。
相手を理解しようとすること。
これもまた、自分勝手だった僕にとって大きな学びでした。
そんなことを考えていた矢先、今日はTOGUのメンバーでもあるTHREE OAKの依田さんにファシリテーションをお願いし、会社のみんなとワークショップを行いました。
僕自身の考えや、会社としてこれから目指したい方向性を共有しながら、改めて足並みを揃える時間です。
そこで痛感したのは、「伝えているつもり」と「伝わっている」は全然違うということでした。
僕はそもそもあまり口に出さない人間です。
言わなくても分かるだろう、きっと伝わっているだろう、そんな甘えがあったのだと思います。
でも実際には、伝えなければ伝わらない。
当たり前のことですが、改めて実感しました。
世の中で起こる揉め事の多くは、コミュニケーション不足から生まれているのかもしれません。
LINEがあり、チャットがあり、便利な時代になりました。
でも、便利になったからこそ「伝えたつもり」が増えているような気もします。
今回のワークショップは、そんなことを改めて考えさせられる時間でした。
たった数時間でしたが、すごくすごく良い時間だったと思います。

10年やってきて思うのは、「うつくしいものをつくる」という理念は間違っていなかったということです。
ただ、その“うつくしさ”は見た目だけではない。
人と人との関係性だったり、仲間同士の信頼だったり、誰かが挑戦できる環境だったり。
そんな目に見えないものにも、美しさは宿るのだと思います。
現在の活動理念である「うつくしいものをつくる」のさらに先へ。
よりよい未来のために
頑張る誰かのために
大切な仲間のために
デザインの力を活かしながら、これからも挑戦を続けていきます。
11期目のMERRY BEETLEも、どうぞよろしくお願いいたします!